Note

サーフィンを授業に。波に乗る千倉の中学生

南房総市では、小中学生が地域学習の一環として、自然や産業、伝統文化などを「南房総学」として学んでいます。

今回は「南房総学」として初めて開催された千倉中学校の「サーフィン体験会」。

これまで、千倉中学校の「南房総学」では、漁業を中心に発展してきた千倉の歴史を踏まえ、「ヒラメ放流&アワビ養殖見学」「イカの塩辛作り」「調査船『千葉丸』乗船&ロープワーク体験」「海岸段丘フィールドワーク」などに取り組んできたところですが、本記事では、千倉中学校の新たなチャレンジとなった「サーフィン体験会」当日の様子とともに、南房総のサーフィンの魅力やサーフィンを通じて子どもたちに伝えたい想いについてご紹介いたします。

多くの人を惹きつける南房総のサーフィンの魅力

太平洋に面した南房総市の外房エリアは、サーフィンの人気エリアとして知られています。千葉県は元々サーフィンのメッカとして有名ですが、その中でも、最南端の南房総は水温が高く海水の透明度が高いことや、波質や地形のバリエーションも豊富なことから、年間を通して県内外からその波を求めて多くのサーファーが訪れています。そして、南房総の海の魅力に惹かれ、サーフィン移住する方も多くいます。

今回の「サーフィン体験会」の会場になった千倉海岸も南房総市内の人気のサーフポイントの一つ。比較的穏やかな波質で初心者~上級者まで楽しめるポイントとして知られ、日本プロサーフィン連盟(JPSA)や日本サーフィン連盟(NSA)が主催するサーフィン大会の会場にもなっています。

また最近では、千倉出身で全国や世界で活躍するサーファーも輩出しており、地元においてもサーフィンの注目度は高くなっています。

綺麗な砂浜と青い海。海水浴やサーフポイントとして人気の千倉海岸

 

南房総サーフィン協会と地元サーファーの協力

今回、初めての「サーフィン体験会」に挑んだのは千倉中学校1年生の46名。千倉中学校は千倉海岸から徒歩10分の距離に位置し、高台にある校舎からは海を望むことができます。

高台から太平洋を望む千倉中学校

 

前述のとおり、千倉海岸には各地から多くのサーファーが訪れていますが、意外にも地元の子どもたちはサーフィンを一度も体験したことがないという子が多いのが実際のところ。今回のサーフィン体験会は生徒自らがサーフィンを通して千倉の海の魅力を体感し、郷土愛を育んでもらおうと企画されました。

そして、学校関係者、教育委員会、南房総サーフィン協会、地元のサーフショップのメンバーが一丸となり開催が実現。

多くの人たちの協力のもと、千倉中学校の1年生46名が、2023年9月12日・13日の2日間、午前・午後のグループに分かれ、全4回のサーフィン体験会に参加しました。

 

「サーフィン体験会」スタート(取材は2日目の午前の部)

生徒自らの進行で開会。

始めに、千倉中学校の島田教頭先生から、
「近くにこんなに綺麗な海があることの素晴らしさ、そして地元の海の楽しさをサーフィンを通してぜひ生徒のみんなに体感して欲しいです。そして、このサーフィン体験会には、平日にも関わらず、多くの地元のサーファーの方々がインストラクターとしてご協力いただいています。インストラクターの方々に感謝の気持ちをもって、安全に楽しんでください」とお話がありました。

「千倉の子どもたちにぜひサーフィンを体験させたかった」と熱い想いの島田教頭先生

 

続いて、今回のインストラクターのリーダーを務める日本プロサーフィン連盟公認サーフィンインストラクターの鈴木国雄さんから、
「50年前は私も皆さんと同じ千倉中学校の生徒でした。それから50年、まさかサーフィンが授業になる日がくるなんて、その当時にはとても考えられなかったです(笑)。皆さん、今日は怪我のないように楽しみましょう!」と挨拶がありました。

自ら千倉でサーフショップを経営する傍ら、今回のサーフィン体験会の実現に向けて、南房総サーフィン協会との調整や、当日はインストラクターのリーダーも務めていただいた鈴木国雄さん

 

挨拶が終わると、早速生徒たちはウェットスーツに着替え、暑さ対策も含め身体を水にならします。そしてしっかりと準備体操。塩分・水分補給も行いました。

 

同世代ジュニアサーファーのエキシビジョン

今回の「サーフィン体験会」の実施にあたり、鈴木さんが「同じ中学校に通うジュニアサーファーの上手なライディングを一度も見たことのない生徒たちにぜひ見せてあげたい」と中学校に提案したところ、中学校もこの提案を承諾。2日間、午前と午後のレッスンの開始前に、国内数々のサーフィン大会でも活躍している石井有沙さん(1年生)と吉川大翔さん(2年生)によるエキシジョンが行われ、同世代が上手に波に乗る姿を初めて見た生徒たちからは歓声が上がりました。

エキシビジョンで技を決める石井有沙さん

エキシビジョンで技を決める吉川大翔さん

同世代のエキシビジョンに魅入る生徒たちにサーフィンの技の解説をする鈴木国雄さん

「大会より緊張しました(笑)」と笑顔で海から上がる石井有沙さんと吉川大翔さん

 

待ちに待ったレッスンスタート

同世代のエキシビジョンで気持ちも高まったところで、いよいよ待ちに待ったレッスンのスタートです。
実際にボードを使用して、ボードの乗り方、沖に出るための波のかわし方、パドリング、テイクオフなどを教わります。

 

いよいよ海へ!
AとBの2グループに分かれ、Aグループから順に体験スタートです。

生徒1人に対してインストラクター2名がつき、波のブレイクに合わせて沖からボードを押してもらいます。そして、いざテイクオフ!

最初は腹ばいから

早く立ちたい気持ちが焦ります!

徐々にコツをつかんできました

そしてテイクオフ!

テイクオフ!

テイクオフ!

インストラクターの皆さんも拍手で大喜び!

 

「初めてやったけど、楽しかったです」
「バランスをとるのが難しかったです」
「思ったよりスピード感がありました」
「めっちゃ楽しい。普段ボディーボードをやっているけど、サーフィンも楽しいです。もっと仲間を増やしたいです」
「波は怖い部分もあるけど、最高!今まで浜辺や磯で遊ぶことはあったけど、サーフィンはすごすぎます」

生徒たちも満面の笑みで、初めて体験したサーフィンの感想を話してくれました。

 

初めての「サーフィン体験会」は無事に終了へ

講師を務めた鈴木さんから、
「けがが無く終われたことが何より一番でした」と話しがありました。
そして生徒から、
「自然の楽しさとともにサーフィンを体験することができました。最初は波に乗れなかったけど、だんだんコツがつかめて、最後は楽しかったです。今日はありがとうございました。またやりたいです!」とインストラクターの皆さんにお礼の言葉がありました。

 

千倉の海の魅力を体感し、次につなげていきたい

今回の「サーフィン体験会」の発起人でもある島田教頭先生にお話を伺いました。
「南房総学は郷土愛を育むのが目的です。千倉といえば海。サーフィンを体験することで千倉を知るきっかけにしてほしいとも思っています。今の子どもはSNSやゲームなどの時間が多いので、自然体験は貴重です。コロナが明け、校外で心を育てるのが大切なのではないかと感じています。今回のサーフィン体験もそうですが、地元であっても『場』を提供しないとやる機会がないのが現状です。実際多くの生徒がサーフィン初体験でしたが、みんな普段学校では見られないような明るい表情をしています」

「サーフィンで活躍している同世代の生徒や卒業生もいるので、彼らを知るよい機会にもなりました。今回のサーフィン体験で終わりではなく、地域の良さを知るために次につなげていきたいと思っています」

サーフィン体験会に参加した生徒たちは後日、千倉海岸のビーチクリーンにも参加。綺麗な海を守っていくことも学びました。

 

サーフィンを身近なスポーツとして地元の子どもたちに楽しんでほしい

今回のインストラクターでもあり、地元千倉でサーフショップ「SOUTHERN COAST」を営む鈴木国雄さん。生まれ育った千倉の海をこよなく愛する鈴木さんに、今回のサーフィン体験会について話を伺いました。

「今回の授業を打診された6月末は、千倉の地形が最悪の状態で、千倉の海でサーフィンができるか心配でした。ただ、その時点では『まだ2ヶ月以上あるし、なんとかなるだろう』と思っていました。直前まで学校関係者や南房総サーフィン協会のメンバー達とミーティングを重ねてきました。願いが通じたのか、 千倉の地形が回復し、体験会両日は『天気・風・小さい波』と三拍子が揃い、奇跡の様なコンディションに恵まれました。両日ともけがもなく、中学生がサーフィンを楽しんでくれたことで、嬉しさとともにほっとしています」

絶好のコンディションに恵まれた千倉海岸

 

初めての試みとなった千倉中学校の「サーフィン体験会」。
サーフィンを授業に。これからも南房総市ならではの取組の発展が期待されます。

 

【関連リンク】

特集記事「南房総に残っても、離れても、どこへ行っても」子どもの支えとなる郷土愛と学力を育む

特集記事「いつでもだれでも楽しい時間を。南房総の海のポテンシャルを知る」

世界で活躍するプロサーファー 松岡亜音選手が石井市長を表敬訪問しました!

ポスト

シェア

南房総市ならではの暮らしの魅力や自慢の情報をお届けします。