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福祉と教育の垣根を取り払い、ワンストップで子どもを継続して見守り育てる南房総
妊娠から18歳まで切れ目のない子育て支援の充実を目指す南房総市では、福祉と教育の垣根を取り払い、ワンストップで継続した子育て支援ができる新体制を発足しました。今回はその組織と南房総市の子育て支援について詳しくお伝えします。
より支援をスムーズにする取り組み
南房総市では、子ども教育課内に子ども家庭支援室(こども家庭センター)を令和6年4月に設置しました。
子ども家庭支援室は、これまで担当部署が異なっていた、母子保健(子育て世代包括支援センター機能)、教育相談センター(子ども家庭総合支援拠点機能)、子育て支援施設「ほのぼの」の取り組みを一体化した組織です。
こども家庭センターは全国で約50%の自治体が設置(2024年7月時点)していますが、南房総市では「妊娠・出産から就学・進学・就職まで、切れ目のない子育て支援を展開するほか、南房総市の特性を踏まえた教育環境の充実や、子どもを育てる世代などの連携と交流の場づくり等に努め、安心して子どもを産み育てられる」という総合計画に基づいて設置されました。さらに、保健福祉部社会福祉課にあった児童福祉係を教育委員会事務局子ども教育課に統合することにより、子育てに関する窓口を一本化しました。
これにより、子育てに関連する手続きや相談の窓口がひとつになり、南房総市に住む子どもの情報が集約されることになりました。子どもの成長段階に応じて、必要な支援や施策を切れ目なく、漏れなく取り組み、子どもと子育て家庭への包括的な支援体制が構築され、『子どもひとりひとりをずっと引き継いで見守る』ワンストップでの子育て支援が加速することになりました。
南房総市のワンストップの子育て支援を象徴するのが、南房総市丸山エリアにある丸山分庁舎。中に入ると、1階が大きなワンフロアになっていて、子ども家庭支援室を含めた教育委員会全ての部署がそろっています。衝立や仕切りもほとんど無く、ワンストップの風通しの良さが感じられます。

風通しの良さが感じられる南房総市教育委員会(丸山分庁舎)
子ども教育課と子ども家庭支援室が提供する子育て支援
子ども教育課と子ども家庭支援室が提供する支援は妊娠から18歳まで数多くあります。特に特徴的な支援をご紹介します。
・妊産婦支援
保健師による妊婦電話相談・家庭訪問や新生児・産婦訪問等に加え、産後ケアを一部自己負担にて提供しています。産後ケアでは、ママの休息や体のケア、健康管理、赤ちゃんのお世話の相談などを、産院への宿泊・通所、自宅への訪問により受けることが可能で、産後の疲れや育児への不安、困っていることがあるママをサポートします。

親子きずなの教室(両親学級)で開催された「赤ちゃんを迎える準備・沐浴実習」の様子
・子育て支援施設「ほのぼの」
子育て支援施設「ほのぼの」は、0~4歳(幼稚園入園前)までのお子さんが親子で安心して遊べる場所です。明るく広い室内には、おもちゃや絵本が充実しています。また「にこにこ教室」を開催し、各年齢の子どもに応じた親子遊びや手遊びを紹介しています。
また、スタッフが各子ども園に出向いて、親子の交流と子育ての疑問などにお答えし、親子の気持ちに寄り添い、育児支援・サポートをする「園庭開放に伴う子育て相談」をしています。
その他、子育て中のパパやママが一人で悩まないように、公認心理師やことばの先生など専門家による言葉や発達、子育ての相談を行っています。

ガラス張りで解放感が感じられる子育て支援施設「ほのぼの」(丸山地区)
・短時間保育(8時間)保育料無償
国の仕事と家庭・育児の両立を支援する短時間勤務制度が始まっていることやライフスタイルの変化に合わせ、南房総市では短時間保育(8時15分~16時15分)の保育料を無償、標準時間(7時15分~18時15分)についても、国が定める基準額の半額程度としています。多様な働き方を支援し、家族との時間を大切にする、仕事と育児を両立できる環境づくりを促進する取り組みです。

保幼小中一貫校「富山学園」内にある富山保育所
・転入ファミリー交流会・おやこ交流会
転入者同士の交流や仲間づくりのきっかけにと、転入してきた0歳~4歳までの子どもと保護者を対象に実施しています。子どもと保護者のふれあい遊びや、参加者の育児や生活の不安や疑問の共有、南房総市での育児や生活の情報提供やアドバイスを行っています。

「転入ファミリー交流会」でヨガを楽しむ親子
・家庭児童相談
子どもだけでなく、保護者の子育ての不安や困りごとを相談できます。学校のことや家庭のこと、子どもの生活全般に関わることに、保健師や心理士、教員免許所有者など経験豊富なスタッフが対応し、必要な福祉サービスや支援を紹介、情報提供をおこないます。
・発達相談/トレーニング「ぱれっと」
発達の偏りや特性によって集団生活や学習がうまくできない児童生徒とその家族や学校に対して、相談を受けたり支援を行ったりする発達相談室です。放課後の時間を利用して直接子供たちに、教育プログラムやソーシャルスキルトレーニング、自立活動、遊びなどを通して、社会生活に必要なスキルを育てる活動を行っています。

「ぱれっと」の教室内

「ぱれっと」の教室前の廊下
・不登校支援「スマイル」/学校教育相談「スマイルプラス」
学校に行きにくい子どもたちの学校以外の活動の場として開設され、悩みや不安についての相談、学習支援や軽スポーツ、創作活動や自立に向けたトレーニングなど、それぞれの状態に応じて柔軟に対応しています。また、学校とも連携を取り、学校教育相談室は市内中学校全てに設置。『子どもたちが自信を取り戻し、エネルギーを蓄えて新しい一歩が踏み出せる』支援を心がけています。

「スマイル」の教室内
新体制となり、より一層の子育て支援に力を入れる南房総市。南房総市の豊な自然とともに、子どもを多くの目で見守り包み込む南房総市での子育てをぜひ選択肢に入れてみてください。
【関連リンク】
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・「南房総に残っても、離れても、どこへ行っても」子どもの支えとなる郷土愛と学力を育む
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