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海だけじゃない!南房総には低名山がある!【前編:内房編】 ~伊予ヶ岳、富山、御殿山、大日山~

南房総の自然の魅力は、海だけではありません。どこか懐かしく、気軽に登れる山が身近にあることも、南房総の大きな魅力です。

南房総の山は標高が低く、「房州低名山」として知られ、テレビ番組や雑誌、書籍でも取り上げられています。半日あれば登って下りられる山が多いため、初心者でも挑戦しやすく、小さな子どもからシニアまで幅広い年代が楽しめます。さらに温暖な気候のおかげで、冬でも登山を楽しめるのも特徴。水仙や山桜など、ひと足早い春の便りを目当てに訪れる人も少なくありません。

今回の【前編:内房編】では、内房エリアの代表的な低名山である富山(とみさん)・伊予ヶ岳(いよがたけ)・御殿山(ごてんやま)・大日山(だいにちやま)の4山をご紹介します。

南房総・内房の低名山4つをご紹介

伊予ヶ岳(いよがたけ) 336m

伊予ヶ岳の全景

 

特徴

伊予ヶ岳は、千葉県内でも珍しい鋭い岩峰をもつ山です。県内で唯一、山名に「岳」が付き、異名は「房総のマッターホルン」。日本百低山や関東百名山にも選ばれており、山頂からは房総丘陵の山脈が広がる美しいパノラマを楽しめます。
低山でありながら、山頂直下にはロープや鎖場があり、ほどよい冒険心が掻き立てられ、「本格的な山登り」気分も味わえるのが人気の理由です。

「房総のマッターホルン」の異名をもつ伊予ヶ岳のフォルム

伊予ヶ岳南峰(右手前)側からの風景。左手に富山(とみさん)、空気が澄んだ日には東京湾越しに富士山も望めます。

北峰から望む南峰の風景

 

登山ルート

天神社-山頂ルート(片道約60分)

↓詳しい情報はこちらをご参照ください。(はじめての方は必見!)

伊予ヶ岳ハイキングコース/南房総市いいとこどりHP

房総のマッターホルン「伊予ヶ岳」に登ってきました!/南房総市移住・定住情報サイト

新緑の低名山が魅力です/南房総市移住・定住情報サイト

 

伊予ヶ岳の豆知識① ~登った人だけが知る“とっておき”の山桜スポット~

下山ルート(北峰ルート)の途中には、知る人ぞ知る「桜の広場」があります。地上とはひと味違う山桜に加え、早咲きの河津桜や大島桜が登山者を迎えてくれます。通り過ぎるだけではもったいない場所。レジャーシートを広げてお弁当を食べる“山上お花見”もおすすめです。

伊予ヶ岳の山桜

 

伊予ヶ岳豆知識② ~麓の平群(へぐり)エリアで、登山+αを楽しもう~

伊予ヶ岳の麓は平群(へぐり)地域と呼ばれ、旧平群保育所を再利用した複合施設「HEGURI HUB」があり、サイクリング拠点のクラブハウスやレストラン、ゲストハウス、コワーキング、キャンプ場、シャワーなどがそろい、サイクリストやハイカー、観光客、地域の方々で賑わいます。「登って終わり」ではなく“滞在”が楽しくなる拠点です。
さらに2026年4月には「へぐり伊予ヶ岳公園」が開園します。円形の芝生広場を中心に、クライミングウォールやターザンロープ等の遊具、イベントに使えるステージ、ドッグランエリアなども整備されるなど、伊予ヶ岳を起点に楽しめるエリアになってきています。

 

登山口までの主なアクセス方法

・自家用車の方

天神社駐車場(南房総市平久里中207)(トイレ有り)

・公共交通の方

JR内房線「岩井駅」又はハイウェイオアシス「富楽里」から市営路線バス「トミー号」に乗車→「天神郷」(登山口まで徒歩5分)又は「国保病院前」(登山口まで徒歩10分)で下車
※平日と土休日でダイヤが異なります。また、登山口最寄りの「天神郷」での乗降は、平日は事前予約が必要となりますのでご注意ください。

 

富山(とみさん) 349m

富山の全景

 

特徴

富山は、南峰・北峰の2つの峰をもつ美しい双耳峰(そうじほう)が特徴です。令和6年度に新調された展望台(北峰)からは、三浦半島、大島、新島、八丈島などが望めます。空気が澄んだ日には富士山も望むことができます。

展望台(北峰)からの眺望

 

麓には、戯曲『南総里見八犬伝』の重要な舞台として知られる「伏姫籠穴(ふせひめろうけつ)」もあり、物語と自然が重なる神秘的な山旅を楽しめます。

伏姫籠穴(ふせひめろうけつ)

伏姫籠穴(ふせひめろうけつ)

 

“地元の手”で守られる山道

富山の麓にある南房総市立富山学園(保幼小中一貫校)では、地域学習「南房総学」の一環として、地域団体の協力のもと富山の登山や保全活動に取り組んでいます。
地域の子どもたちも富山を学びの場として未来につなぐ。そんな関わり方も、南房総のあたたかさを感じるポイントです。

富山学園の中学生による登山道整備

 

登山ルート

・伏姫籠穴ルート(片道約80分)
・福満寺ルート(片道約90分)
※初めての方は、道案内が分かりやすい福満寺ルートがおすすめです。

↓登山の詳しい情報はこちらをご参照ください。(はじめての方は必見!)

とみさん伏姫ハイキングコース/南房総市いいとこどりHP

SEA TO SUMMIT!海が見える南房総の低名山を楽しもう(vol.1:富山編)!/南房総市移住・定住情報サイト

 

富山の豆知識① ~馬琴と「八犬伝」の謎~

『南総里見八犬伝』の舞台として名高い富山ですが、実は著者・曲亭馬琴は一度もこの地を訪れずに物語を完結させたと伝わっており、現地を知らずして描かれた圧倒的な臨場感は、文学史上最大の謎とも言われます。南峰には、そんな馬琴を讃え、児童文学者・巌谷小波が大正時代に建立した碑があり、今も物語の息吹を現代に伝えています。

 

富山の豆知識② ~絶景「十一州一覧台」の由来~

北峰の展望台は、幕末の会津藩主・松平容保ゆかりの地です。若かりし容保が江戸湾警護のために登山した際、そのあまりに素晴らしい景観に感動し「十一州一覧台」と命名したと伝えられています。安房や上総はもちろん、相模や富士山まで見渡せたという伝説のパノラマ。実際に山頂から「十一州」を探してみるのも登山の醍醐味です。

 

登山口までの主なアクセス方法

・自家用車の方

「富山学園下駐車場」(南房総市竹内12-1)
※駐車場から徒歩で「伏姫籠穴コース」or「福満寺コース」へ

・公共交通の方

①JR内房線「岩井駅」又はハイウェイオアシス「富楽里」から徒歩で「伏姫籠穴コース」or「福満寺コース」へ
②JR内房線「岩井駅」又はハイウェイオアシス「富楽里」で市営路線バス「トミー号」に乗車→「富山学園前」(伏姫籠穴コース)又は「宮谷口」(福満寺コース)で下車
※平日と土休日でダイヤが異なりますのでご注意ください。
※登山口の「伏姫籠穴」と「福満寺」には公衆トイレがあります。

 

御殿山(ごてんやま) 363m

御殿山

 

特徴

地元では、里から眺めた姿が乳房のように見えることから、親しみを込めて「おっぱい山」の愛称でも呼ばれています。
嶺岡山系の奥深い山域に位置し、途中の大黒天さま付近と山頂からの展望が魅力。鋸山・伊予ヶ岳・富山を見渡し、天気が良ければ富士山も望めます。

山の日(8月10日)の夕方、左手に富山、右手に伊予ヶ岳、その真ん中に日が沈む御殿山からの風景は、南房総市のロゴマークのモチーフにも採用されています。

 

登山ルート

・山田ルート(片道約50分)
・塩井戸ルート(片道約90分)
・畑ルート(片道約70分)
※初めての方は、登山口までのアクセス条件が良い山田ルートがおすすめです。

↓登山の詳しい情報はこちらをご参照ください。(はじめての方は必見!)

御殿山・大日山ハイキングコース/南房総市いいとこどりHP

8月11日は「山の日」です/南房総市移住・定住情報サイト

 

御殿山豆知識① ~なぜこんな場所に大黒さまが?~

登り始めて尾根に達したあたりに、大黒さまが祀られています。由来が記された看板によると、江戸中期頃、大黒さまはもともと麓にあり、「集落に福が授かりますように」と願って作られた共有物だったそうです。
その後、“縁起を担ぐ”という言葉にちなみ、集落の人々が皆で大黒さまを担ぎ上げ、現在の場所へ安置したとのこと。いまも山の上から集落を見守り、福を授けてくださる存在とされています。ここで登山の安全も祈願して、先へ進みましょう。

御殿山の大黒さま

大黒さま付近からの眺望

 

御殿山豆知識② ~椿の回廊を抜けて山頂へ~

山頂直下には、「直登コース」と「右に回るコース」の分岐があります。右ルートを選ぶと、フィナーレにふさわしい椿の回廊が出迎えてくれます。「登ってきた甲斐があった」と感じる癒しの区間です。見頃は冬から春先(11月頃から3月頃)。
椿の回廊の階段を抜けると山頂へ。山頂は眺めが良く、東屋や山々のパノラマ写真もあり、のんびり過ごせます。

御殿山の椿の回廊

山頂からの眺望

 

登山口までの主なアクセス方法(山田ルート)

※「塩井戸ルート」及び「畑ルート」登山口へのアクセスは、公共交通でのアクセス条件が整っていないため、自家用車でのアクセスをおすすめします。

・自家用車の方(山田ルート)

御殿山駐車場(南房総市山田)(トイレ有り)

・公共交通の方(山田ルート)

JR内房線「岩井駅」又はハイウェイオアシス「富楽里」から市営路線バス「トミー号」に乗車→「山田中」で下車
※平日と土休日でダイヤが異なります。また、登山口最寄りの「山田中」での乗降は事前予約が必要となりますのでご注意ください。

 

大日山(だいにちやま) 333m

大日山

 

特徴

三芳エリアの奥にある山で、頂上に大日如来が祀られていることが山名の由来と言われています。頂上付近では、冬から春先にかけて水仙が咲き、水仙とともに眼下の山々を望む景色が楽しめます。
周辺には、この山を源頭とする平久里(へぐり)川支流にかかる増間(ますま)七滝や沢山不動の滝など、滝スポットも点在。登山とあわせて“滝めぐり”を楽しめます。

山頂の水仙

 

登山ルート

・大日山遊歩道ルート(片道約70分)
・左回りルート(日枝神社→増間ダム→坊滝→頂上)(片道約100分)

↓登山の詳しい情報はこちらをご参照ください。(はじめての方は必見!)

御殿山・大日山ハイキングコース/南房総市いいとこどりHP

 

大日山豆知識① ~負けるな!頂上手前300段超えのロング階段~

歩き始めは「大日山遊歩道」の名のとおり、歩きやすい道が続きますが、山頂直下に待ち構えているのが300段を超えるロング階段。下から見上げると、頂上が遥か遠くに感じられ、思わずたじろいでしまうかもしれません。
ただし、階段横の看板には「山頂まで約200m」との表示もあります。怯まず、一歩ずつ登り切りましょう。登り切った先に山頂が待っています。

大日山の山頂前のロング階段

 

大日山豆知識② ~周辺には滝&紅葉スポットも~

左回りルートには、坊滝をはじめ増間七滝など多くの滝があります。落差25mの坊滝は、水量が豊富な時期は必見の名滝のひとつです。

坊滝

 

さらに、麓の増間地区には、紅葉で有名な沢山不動の滝もあります。
「沢山の不動さま」と呼ばれる沢山不動堂は、安産・商売繁盛・学業成就などのご利益があるとも伝わり、清流にすむカジカガエルにちなんだ吊橋「かじか橋」も見どころです。温暖な南房総では、11月下旬から12月頃が紅葉の季節。紅葉シーズンは滝と紅葉をセットで楽しむ方も多く訪れます。

沢山不動の滝

かじか橋

 

沢山不動周辺についてはこちら

登山口までの主なアクセス方法

※大日山登山口へのアクセスは、公共交通でのアクセス条件が整っていないため、自家用車でのアクセスをおすすめします。

・駐車場

大日山遊歩道駐車場(トイレ有り)又は大日山登山口遊歩道(トイレ無し)

 

低名山の年齢ごとの楽しみ方

幼児期

低名山は歩行時間が短めなコースも多く、幼児でもチャレンジしやすいのが魅力です。特に御殿山は登山道が整備され、道中の景色の変化も楽しく、適度な運動量で登頂の達成感も味わえるのでおすすめです。
南房総で野外保育を行う「森のようちえん はっぴー」では、普段は主に大房岬の森で活動し、学年の締めくくりとして登山に挑戦しているそうです。

・3歳児:御殿山(ごてんやま)
・4歳児:富山(とみさん)
・5歳児:烏場山(からすばやま)※外房

小さいうちから登山を経験し、心と体の成長につなげていくのも“南房総らしい子育て”の一つです。

「森のようちえんはっぴー」のチャレンジ登山

 

学童期

市内小中学校では、遠足で地元の山に登り、身近な自然に親しんでいます。展望台から海や里山、自分の暮らす街を眺めて「うち、どこだろう?」と探すのも、子どもにとっては楽しい体験です。
富浦地区の「大房岬少年自然の家」が提供する自然体験活動「岬の楽校(がっこう)」には登山プログラムもあるので、参加してみるのもおすすめです。

 

20〜30代

低山では物足りない方、登山に慣れている方には、山と山をつないで縦走にチャレンジするのも面白さが増す楽しみ方です。(例:伊予ヶ岳-富山、御殿山-大日山)

・伊予ヶ岳-富山縦走の参考情報はこちら

・御殿山-大日山縦走の参考情報はこちら

 

家族形成期

家族の年中行事として登山を取り入れ、みんなで登頂の達成感を味わうのもおすすめです。年1回でも子どもと登ることで、「去年より歩けるようになった」「この傾斜を怖がらなくなった」など、子どもの成長を実感でき、家族の思い出の積み重ねになります。
小さなお子さんと登る場合は、SNSやガイドブックの歩行時間より時間がかかる前提で、余裕をもった計画を立てることが大切です。

家族で御殿山登山

 

シニア期

高山ほど険しくなく、登山者も比較的少ないため、自分のペースで無理なく登れます。風景や季節の花の撮影にも人気があり、「山でしか出会えない季節の花」を毎年撮りに登る方もいます。ひとりで気ままに、仲間とわいわい、どちらも楽しめるのが低名山の良さです。
登山の締めくくりに、足湯や日帰り温泉でゆっくり疲れを癒して帰るのも良いでしょう。

伊予ヶ岳とコスモス畑

 

海だけではない、南房総の山の魅力。

季節ごとの景色と歩いた人だけが味わえる達成感を、ぜひ体感してみてください。

次回の後編では、外房エリアの山を紹介します。

※本記事の内容は2025年取材時のものです。

 

注意事項

・登山の前に、登山コースの確認、登山道の通行止め等の最新情報を確認し、無理のない計画を立てて登山することをおすすめします。
・登山の際は、YAMAPなどの登山アプリを活用し、自分の位置を確認しながら歩くと安全です。
・山中では、イノシシ・シカ・キョン・ヘビなどの野生動物や、ハチやアブなどに遭遇することがあります。また、夏場の雨上がりや雨天時はヒルも出ます。虫除けスプレーやポイズンリムーバーなどの持参など、対策をおすすめします。

 

 

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