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南房総の子育てに、そっと寄り添う場所 ~「ほのぼの」で、親子のつながりと安心を~

南房総市の田園風景が広がる国道410号沿いに、一風変わったガラス張りの建物があります。広々とした駐車場を備えたその施設こそ、南房総市の子育て支援施設「ほのぼの」。

利用者からは「お母さんたちの心のよりどころ」と呼ばれ、地域に根ざした信頼を集めています。今回は、南房総市の子育て支援施設「ほのぼの」の魅力について、スタッフと利用者の声を交えてご紹介します。

田園風景に囲まれた国道410号沿い(丸山地区)の「ほのぼの」

 

安心して子育てできる環境がここに

「ほのぼの」は妊婦から幼稚園入園前の子どもと保護者を対象に、無料で開放されている子育て支援施設です。スタッフは全員が保育士または教員免許の有資格者。年齢に応じたおもちゃが揃い、広々としたフラットな室内では、ハイハイや歩行の練習も思いのまま。猛暑の日も快適に遊べる室内環境に加え、屋外では日陰での水遊びも楽しめます。

外の田園風景と一体感のある開放的でフラットな「にこにこひろば」

 

対象は0歳〜4歳までの未就園児。兄姉が幼稚園に通っている場合は、下の子と一緒に利用することも可能です。教室やイベントは市内在住者が対象ですが、施設の利用は近隣市町の方や里帰り出産の方、観光で訪れた方でも利用することができます。

水遊びもできる屋外スペース

小さな子ども向けの屋内遊具

 

親子の交流を育む「にこにこひろば」と様々なイベント

「にこにこひろば」は、親子が自由に遊び、交流できるスペース。悩みがあればその場でスタッフに気軽に相談できるのも心強いポイントです。

毎月開催される「にこにこ教室」では、年齢別に分かれたグループでリズム遊びや手遊びを楽しみ、親子の交流の場としても人気。手形・足形づくりや歌に合わせるスキンシップ遊びなど、毎回違うプログラムが用意されており、何をして遊ぶかは、来てからのお楽しみです。

「にこにこひろば」で遊ぶ親子

 

年に一度開催される「ほのぼのデー」には、市内から約70人(令和7年度)の親子が集まり、宝探しや親子制作、窓へのお絵描きなど、家庭ではなかなかできない体験が盛りだくさん。子どもたちは夢中になって遊び、保護者同士も自然とつながりが生まれます。

「ほのぼのデー」の様子  ※ほのぼのデー(令和7年度)の詳しい様子はこちら

 

この他にも、「ほのぼの」では、季節のイベント、絵本の貸し出しや読み聞かせ、誕生会など、一年を通じて様々なイベントを開催しています。

「にこにこひろば」に掲示されている毎月の予定表

 

保護者への手厚いサポート体制

子育て中の不安や悩みに寄り添うため、「ほのぼの」では月1回、専門家による相談日を設けています。公認心理師による「幼児相談」や、言葉の発達に関する「ことばの相談」、親子で身体を動かす「親子体操教室」など、専門的な支援が受けられるのも大きな魅力。

「ほのぼの」のスタッフも日頃から保護者に寄り添い、子どもの成長について話したり、保護者の心配事を聞いたりしてくれています。「病院に行くほどでないけれど、ちょっと心配・・・」、そんな時に、いつも遊びに来ている「ほのぼの」で気軽に相談できる体制が整っています。

相談を聞くスタッフ

 

「ほのぼの」は南房総市ファミリーサポートセンター(以下「ファミサポ」)の事務局も兼ねています。

ファミサポは、育児支援を受けたい人と援助できる人がお互いに会員となり、地域で子育てを支え合う仕組みです。
保育所、塾、学校の送迎などの短時間サポートから、仕事などで丸一日預かってほしいときまで、柔軟なサポートが1時間700円〜(※時間帯や時期によって異なる)で利用可能。事前に顔合わせやマッチングを行い、1家族に対して2名程度の援助会員が登録されており、継続的にサポートを受けることができます。

生後3カ月から小学6年生までが対象で、ファミサポでは、子どもたちが安心して過ごせるように、家族のように家庭的な雰囲気で子育てをサポートしています。

 

スタッフの温かさが、親子の居場所をつくる

「ほのぼの」では、保育士4名、教諭2名、事務員1名のスタッフが働いています。開設当初から勤務するベテランから、今年入ったばかりのスタッフまで、皆さんが和気あいあいとしていて楽しそうに仕事をしているのが、とても印象的です。

「ほのぼの」で働くスタッフたち

 

この日お話を伺ったのは、主任教諭の中村佳子さん。「ほのぼの」で2年勤務した後に、子ども園で1年間働き、再び「ほのぼの」に戻って現在は通算5年目を迎えています。

子どもを見守る中村主任

 

「お母さんの中には知らない土地に嫁いできて、周りに誰も知り合いがなく、孤立しがちな方もいます。ほのぼのに来れば、保育士が悩み事を聞いてくれたり、育児の専門家がアドバイスしてくれるので、『ここがあったから子育てができた』と言っていただけます。お子さんの中には、人見知りや新しいところが苦手という子もいますが、ベテランのスタッフが子どもたち一人ひとりに合ったサポートをしています」

訪れるお母さんや子どもたちを温かく迎え入れるために、普段からどのようなことに気を付けているのでしょうか。

「いろいろなお子さんや親御さんがいらっしゃるので、それぞれに合ったサポート、接し方をしなければいけません。子育てでストレスが溜まっているお母さんが何を欲しているのか、どんなことで気持ちが落ちているのか、日常会話からくみ取り、その方に合ったお声がけをして、幼児相談や適切な教室につなぎます。スタッフ一人ひとりがそうしたことを感じ取れるように気を付けていて、自然にお母さんの方から発信してもらえるような信頼関係を築けるように、心がけています」

子どもを寝かしつけるスタッフたち

 

ほぼ毎日来る人もいるなど、リピーターになる人がたくさんいる一方で、初めての利用では緊張する親子もいます。初めての方に対しては、どのように対応しているのでしょうか。

「孤立してしまうのが一番心配なので、同年齢のお子さんや同じ地区のお子さんを紹介して、顔見知りをつくってあげるようにしています。ほのぼのに来ないときでも、連絡を取り合えるようなお友達をつくって欲しいと思っています。スタッフの保育士や教諭は、普段から多くの親御さんと関わってサポートをしているので、ちょっとした変化に気づけて『今、調子が悪いのかな』と察知できます。それが先生たちの持ち味です」

 

 

保育所・幼稚園との橋渡し「園庭開放」との連携

南房総市では、地域の子どもたちの遊び場やコミュニティ醸成の場として、小学校や子ども園の校庭・園庭を一般開放しています。

南房総市には、保育所と幼稚園が一体になった子ども園が5つ(富浦、富山、三芳、千倉、嶺南)あり、「ほのぼの」では、毎週2名のスタッフがいずれかの「園庭開放」に出向いています。

初めての場所に親子で入っていくのは勇気がいること。そこで、慣れ親しんだ「ほのぼの」の先生が子ども園にいることで、親子が安心して利用できるようにサポートしています。

園庭開放日のお知らせ掲示

 

「園庭開放」と「ほのぼの」の連携によって、子どもは自然に子ども園の雰囲気に慣れ、保護者も子ども園の先生と交流することができます。例えば、保護者から保育所で提供される離乳食の“具の大きさ”や“とろみ”について質問が出たときは、実際の献立を見ながら丁寧に説明してくれることも。

「ほのぼの」から子ども園への移行をスムーズにする「園庭開放」のサポートは、親子の交流や子育ての疑問にも答えてくれる場にもなり、最近は利用者が増えてきています。

 

 

利用者の声から見える「ほのぼの」の魅力

 

ママ友に聞いて、今では頻繁に通っているというお母さんは、

「施設が大きくて、ブランコやトランポリンもあって嬉しかったです。遊び場の提供だけという施設もありますが、ほのぼのではスタッフの方々に親身に話を聞いてもらえます。年齢に合ったおもちゃがあるのもいいですね」

今年の3月に南房総市に引っ越して、初めての子育てに奮闘しているお母さんは、お義母さんに「外に出るのも大事」と言われて「ほのぼの」を利用し始めたそうです。

「ガラス張りの明るくてきれいな部屋で、初めてでもみんなあいさつして接してくれて、また来たいと思う雰囲気がありました。名札が色分けされていて、同級生とか市内外が分かるようになっているので、声をかけやすくて子どももお母さんも友だちをたくさんつくれる場所です。初めての人は最初はハードルを感じるかもしれませんが、ぜひ来てみてください」

この他にも、「先生の人数が多くて目が行き届いている」、「ここに連れてきて遊ばせると、すぐに眠ってくれる」、「ガラス張りから見える田園風景がきれいで、季節も感じられる」といった声もありました。

 

保育所に通わず幼稚園に入ると、集団行動に慣れている子とそうでない子の差が大きく、幼稚園のハードルが高くなってしまうこともあります。

「ほのぼの」は、少しでも集団生活を経験できる場を提供し、初めての集団に慣れるステップとして活用されています。親子で安心して過ごせる環境が、子どもたちの社会性を育む第一歩になっています。

 

南房総で、子育てに寄り添う場所を

 

「ほのぼの」は、南房総市の子育て中の親子にとって、ただの遊び場ではありません。悩みを共有できる場所、専門家に相談できる場所、そして新しいつながりが生まれる場所です。

南房総の自然に囲まれた「ほのぼの」では、いつでも温かいスタッフたちが笑顔で迎えてくれます。

 

 

※本記事の内容は2025年取材当時のものです。

 

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