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【南房総一泊二日現地講座~地方でシゴトをつくる方法~】が開催されました

地域で活躍するプレイヤーに会いに行き、話を聞く。「起業」「小商い」を軸に南房総への関わりを探り、次のステップへと進むための南房総市商工課主催のプログラム「南房総一泊二日現地講座」が11月5日(土)・6日(日)に開催されました。

 

【1日目:岩井~三芳~岩井】

高速バス停「ハイウェイオアシス富楽里」に集合し、簡単な事務局側の挨拶の後、バスに乗り込み移動。

最初の目的地は富楽里から車で5分ほどの、東京との2拠点生活を実践する奈良織恵さんのご自宅を訪問しました。

南房総は、東京から一時間半しかかからないのに田舎度合いが高いところが魅力という奈良さん。神奈川県方面とは違う魅力があり、2拠点生活の予算も大きく違うのではという意見にうなずく参加者。

自宅のガレージを改造した大人数で集まれる空間や、物件の広さを生かした開放的なリビング、仕事部屋に、リアルな2拠点生活をイメージできたのではないでしょうか。空き家などの賃貸・売り出し物件が少ないという南房総のデメリットについては、急がず諦めずにイメージをもって探し続けると良いのではというアドバイスがありました。

また、奈良さんの自宅には東京からの遊びに来る友人も多いそうですが、南房総でもご近所づきあいやネットワークがつながり毎週なにかしら人と会っている、というライフスタイルの話にも、参加者は興味深く聞き入っていました。

次に、南房総のヘソと呼ばれる三芳エリアへ移動。山の中の道をバスで走りながら、ローカルスポットを事務局スタッフがマイクを使って紹介する場面もありました。

到着したのは、養鶏業と税理士の兼業で生計を立てる「すぎな舎」川合さんのご自宅と鶏舎。ニワトリの鳴き声を聞きながら、二足のわらじでの南房総生活について聞きました。移住前より働いているが自分でやっているから好きな時に休めてストレスは少ない、という話や、転々とある農地など儲かりにくい土地を兼業農家が継続して農業をすることができるような仕組みを作りたいという将来の展望もうかがいました。

その後は、東京と南房総をつなぐ交流拠点「ヤマナハウス」へ。シェアハウスならぬシェア里山という遊び心に満ちた取り組みに興味津々の参加者たちを連れ、裏山を開墾して設置したゲルなどをヤマナハウス村長の永森さんに紹介してもらいました。

それから、築300年の古民家でのオリエンテーション。地域プレイヤーが4名登場して、それぞれの南房総での活躍や南房総の魅力を語り、よりリアルな南房総での仕事や生活を感じてもらいました。最後は、地元金融機関の「館山信用金庫」職員からのビジネスシーズとしての南房総分析を学び、起業視点での南房総を深く知る時間になったのではないでしょうか。

情報をインプットした後は、おいしい南房総の恵みをビュッフェスタイルで楽しみました。南房総の課題でもある害獣対策としても注目されるイノシシを使ったジビエの本格BBQと、地元で人気の出張料理人がプロデュースしたジビエと野菜を組み合わせた料理の数々に舌鼓。参加者同士の交流も深まりました。

1日目の最後は、海水浴の人気スポット岩井海岸と昔ながらの民宿街が特徴の岩井エリア。民宿に宿泊し、ゆっくりと疲れを取りました。

【2日目:岩井~平群~千倉~富浦】

岩井エリアから里山の富山エリアにある南房総のマッターホルンと呼ばれる伊予ヶ岳のふもとへ移動。旧平群保育所をリノベーションしたサイクリスト施設「HEGURI HUB」を訪問しました。空き公共施設の活用・2拠点生活から地域おこし協力隊への赴任・サイクルツーリズムにからめた起業・複合的な運営など、南房総らしい実例を、施設を運営する瀬戸川さんから聞きました。

次は、南房総の北から一気に南下し、太平洋側の千倉エリアへ移動。南北に長く、穏やかな内海とワイルドな白波の立つ外海をもつ南房総ならではの海の変化に驚く参加者も。

 

千倉エリア最初のプレイヤーは、夫婦それぞれの仕事をしながら南房総に暮らす鈴木ご夫妻。生活の糧としての地域ニーズをとらえた鍵屋「千倉ロックサービス」、海の見えるカフェ「ストロベリーポット」営業と海女という南房総らしい複業仕事を持つご夫妻の話を聞きました。

次に訪れたのは、小学校の保養所をコンバージョンし、懐かしさの中にも洗練さが光るホテルにうまれかわらせた「ちくらつなぐホテル」。宿泊施設の起業例として、参加者は興味深く見学していました。

ランチタイムは、千倉エリアの隣、丸山エリアの海辺に立つ「美浜寿司」。海の幸がたっぷりとあしらわれた海鮮チラシでお腹を満たしました。

そして、バスで北上し、内房・富浦エリアへ。車内ではすっかり打ち解けた参加者たちの会話が弾んでいました。

富浦エリアで訪れたのは、ドラマやCMのロケ地として有名な「原岡桟橋」。穏やかな海に木製の桟橋が突き出し、昔ながらの電柱が並ぶロケーションをカメラに収める参加者たち。最後に、桟橋前で集合写真を撮影しました。

そこから、徒歩で桟橋からすぐの貸し別荘「ハラオカハウス」と、2拠点生活をしながら営業するキッチンカーを見学。

最後は、南房総市役所で今回の振り返りタイム。「ふれあいの中で自分のやりたいことが見えてきた」「地元プレイヤーとの出会いがあり、良かった」「里山暮らしがやっぱりしたいと思った」「夫婦で良い形のライフスタイルを見つけたいと思う」「起業にむけたヒントを得られた」など、満足度の高い前向きな意見が多くでました。

参加者同士や地域プレイヤーとの交流を通して、参加者各々が「次のステップ」を発表し、実践へのモチベーションを高めました。今後の展開がとても楽しみです。

ツアーの様子は動画でもご覧いただけます。