■ご出身・ご経歴を教えてください

出身は千葉県の千葉市です。平成27年千葉市の会計事務所を退職し館山市に移住。
平成28年から30年に南房総市山名の「百姓屋敷じろえむ」で農業研修を受け、その縁で養鶏業を営んでいた大井茂氏より養鶏業を引き継ぎ、平成30年館山市から南房総市山名に引っ越し「すぎな舎（たまご屋）」を開業。平成31年１月には館山市北条に税理士事務所を開業しました。

■移住しようと思ったきっかけと、南房総市を移住先に選んだ理由を教えてください

南房総市は、都内から近く未開発の場所が残っていて海と山があり気候が温暖なのが魅力です。また、地域の方が移住者に対して理解があり、生活し易いというのがこの地を選んだ理由です。

■経営的に大変と言われている農業に挑戦した理由を教えてください

土や自然に触れるのが好きだったことも理由の一つですが、会計事務所で働いていた経験を活かし、税務会計から農業の持続可能な経営モデルを作りたく自ら農業を営み、経営ができるか挑戦してみようと考えました。生産者である農家と飲食店などの消費者との中立的な立場に立って、中山間地域（注１）の農業経営を見直してみたいと思うようになり就農しました。経営が厳しい中山間地域の農家を繋ぎ、ロットを確保することで、輸送コストを下げ経費を共用するなどして生産者のパイプ役となり大きな会社に対して有利な立場で営業することも可能であると考えています。

注１　中山間地域とは（農林水産省Webページ）
山間地及びその周辺の地域、その他地勢等の地理的条件が悪く、農業生産条件が不利な地域をいい、農林統計上用いられている地域区分のうち、中間農業地域と山間農業地域を合わせた地域を指しています。
山地の多い日本では、このような中山間地域が総土地面積の約7割を占めています。

■現在の業務内容を教えてください

税理士業は、館山市北条に税理士事務所を開設し、所長税理士として税務会計の相談・申告業務等をしております。
農業は、養鶏（たまご屋）とパエリア米（粘りの少ないパエリア向きの長粒種）、コシヒカリを作っています。
時間的な割合は農業４割、税理士６割位。朝６時から昼くらいまで出荷、エサやり、水やりなどの農業の仕事を終えてから税理士の仕事を始め、夜７時から１０時くらいで１日の仕事が終わります。
想像していた通り農業で生活して行くのは大変で試行錯誤しながら奮戦中です。

■営業などはどうされているのでしょうか

ほとんどは人づてで、たまにイベントなどに参加しています。ホームページはありませんが、Facebookから依頼が来る場合もあります。卵は神奈川県の生協などに出荷しています。イベントでは、すぐ近くの「ヤマナハウス」でパエリアを作ったり、自家製の米と卵を使った「究極のたまごかけご飯（ＴＫＧ）」を振る舞ったりしています。

■すぎな舎の卵の特徴などを教えてください

鶏の種類は「もみじ」で平飼いの有精卵を販売しています。有精卵は成分や味は無精卵と変わらないとされているのですが、本来の自然の状態の物を提供したいという思いから有精卵にしています。餌にはこだわっていてヌカ、トウモロコシ、魚粉を配合し、タンパク質が必要と思われる場合は魚粉を多めにするなど、その時々の体調を見ながら配合を変えています。また、抗生物質や着色料は使っていません。卵はエサによる影響が大きいためなるべく安心な物を口にしたいためです。抗生物質や着色料を使うと卵に臭いが移ることもあるのも理由の一つです。

■休日の過ごし方は千葉市に住んでいた時と変わりましたか

休みはありません（笑）。税理士の仕事、鶏の世話、農作物の管理で忙しいのですが、南房総に住んでいるとあまりストレスを感じません。

■南房総市へ移住を検討されている方や、南房総市で起業を検討されている方へ向けてアドバイスなどがありましたらお願いします

まずはこちらへ来てみることが重要です。１～２年はアパートを借りたり２拠点生活でも構いません。特にリモートワークができる方はチャンスが多い地域だと思います。

【名称】すぎな舎／川合淳一税理士事務所
【業務内容】鶏卵の生産・販売／税理士業
【住所】〒294-0802　千葉県南房総市山名630-1
【電話】０９０－８３４０－３７６１
【Facebook】すぎな舎
南房総山名の養鶏場「すぎな舎」では、新鮮な有精卵の現地販売を行っています。Facebookのメッセージを送信」よりご連絡いただければ、お時間調整の上、すぎな舎にてお渡しいたします（通常9時〜17時）
飲食店や多数注文の場合、お届けは応相談です。