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2025.07.23
「水難事故から身を守る力を!」富山学園で着衣泳を体験

水難事故にあったら「浮いて待て」
南房総市内の小学校では、児童に水難事故への落ち着いた対応の仕方を学ばせるため、「着衣泳」の学習を行っています。今回は、富山学園小学部の1・2年生および3・4年生による着衣泳の様子を取材しました!
この日、講師として招かれたのは、NPO法人「海に学ぶ体験活動協議会」(通称:CNAC)理事の檀野清司さんと、大房岬自然の家 所長の神保清司さんです。
始めに、檀野さんが水難事故についてイラストを使いながら説明し、万が一誰かが水に落ちた場合に重要な行動として以下の点を伝えました。
・自分で助けに行くのはNG(少し泳げる程度では助けられない)。
・すぐに近くの大人に知らせる。
・119番へ通報する。
・ペットボトルやランドセルなど、身近にある浮くものを投げ渡す。
・周囲の人は「がんばれ!」と声をかけ続ける。

水の事故に対する安全教育を行うCNAC理事の檀野清司さん(写真左)と大房岬自然の家所長の神保清司さん(写真右)

身近な浮き具として「ランドセル」や「エコバッグ」を紹介

今回のエコバッグの中身はスナック菓子とペットボトル(一例)
そして、水に浮くための大切なポイントも教えてくれました。
・人の体は全体の約2%しか水に浮かない。
・浮くときは口と鼻を水面に出し、あごを上げて耳を水中に入れる。
・息を吸うと体が浮き、吐くと沈む。
・足には空気がたまらないため沈みやすい。
・スニーカーは意外によく浮く。
その後は、檀野さんと神保さんがレスキューの模擬演習や正しい浮き方を実演。子どもたちはその姿を真剣に見つめていました。

レスキューの模擬演習の様子。子どもたちは「がんばって!」とかけ声

正しい浮き方:耳は水中に入れ、あごをしっかり上げて口と鼻を水面に出す。浮き具はおへそのあたりで手だけで支える。足は開いて安定させるとよい。
次はいよいよ子どもたちの番。子どもたちは着衣の状態で水の温度や深さを確認しながらゆっくりとプールに入水すると、歩いたり、泳いだりしました。
「服がまとわりついて変な感じ」
「重くて思うように動けない」
と、着衣のまま泳ぐことの難しさを実感する声があがりました。
水に慣れてきたところで、最後は肝心の浮く練習。バディ(ペアの相手)に支えられながら浮く練習を行うと、あっという間に多くの子どもが一人で浮けるようになりました。
※水への恐怖心がある子どもには、ライフジャケットや浮き具を使用しています。

バディに支えられながら浮く練習

上手に浮くことができました!
講師の檀野さんにお話しを伺いました。
「近年、水難事故への救助体制は整ってきているので、浮いてさえいれば助かる可能性が高くなっています。ただ、水の中で浮き続けるのは決して簡単なことではありません。だからこそ、着衣泳を通じてその難しさと大切さを知り、いざというときに冷静に行動できる力を身に着けてほしいです」
CNACではこの活動を全国に広め、水の事故から命を守る教育に取り組んでいます。
これから迎える夏休み。絶対に一人では水辺に近づかず、安全に楽しい夏を過ごしましょう!
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